【日本学術会議の改革に向けて】
昨年来、「政策決定におけるアカデミアの役割に関する検討PT」座長を拝命し、「日本学術会議の改革に向けた提言」を取りまとめました。
同提言では、エビデンスベースの政策立案が求められる時代において、学術会議に望まれる「政策のための科学」の機能を存分に発揮できる環境整備のため、その設置形態、提言機能の強化、会員選出方法、財政基盤等における課題を指摘し、政府にすみやかな改革実行へのプロセスを示すことを求めました。
一方、日本学術会議は自己改革に向けた提言を作成中であり、過日同会議がまとめた素案についてもPTの場でご説明頂きました。
その中では、「不断の見直しを通じて国民の幅広い理解や支持の下でナショナルアカデミーとしての機能をより良く発揮できるよう改革を進めていく」と謳いつつ、組織の現状維持を求める姿勢が鮮明であり、極めて不充分な対応であると言わざるを得ません。
そのような状況を受けて、去る4月16日、井上信治科学技術担当大臣とPTメンバーによる打ち合わせを行い、我々PTが目指すアカデミアと政治のあるべき姿について議論しました。
コロナ禍への対応、国産ワクチンの開発の遅れからも明らかなように、わが国の科学技術力が世界各国に後塵を拝していることに切実な危機感があります。